ダイエットにはその時々で、「あの著名人がやっている!」「海外発の最先端ダイエット!」など、流行り廃りが発生します。しかしその中には、流行っている最中~直後から医療的な視点でNGや苦言が呈されるものも少なくありません。「ダイエットやってみようかな」と考え、その手法を実践しようとした時は、まずはきちんと手順や方法、そして専門家からの反対意見が無いかも調べる必要があります。
日頃忙しい看護師にとって、特に魅力的に映るのは「ファスティングダイエット」です。一定期間断食することで、身体に蓄積された脂肪がエネルギー源として消費される=ダイエットになるだけでなく身体の中の老廃物や毒素が排泄される、腸内環境が整う、肌荒れなどの改善につながる、というものです。
しかしファスティングは単なる断食で効果を発揮するものではなく、事前に少しずつ断食期間に向けた準備食をしていく必要があります。また「単なる断食は脂肪より先に筋肉が分解される」という説もあり、看護で筋肉を必要とするタイミングも多い看護師が聞きかじりで始めるにはおすすめできません。
ファスティングダイエットよりも前に提唱された「糖質制限ダイエット」も、「タンパク質や脂質は十分摂る」という前提が抜け落ちたまま糖質制限をし、結果としてエネルギー不足、筋肉減による基礎代謝の低下で太りやすい身体になってしまった人も少なからず居ます。食べる量を減らすだけ、逆に「これだけ飲んでいればいい」というダイエットは、しっかりと背景や前提の情報を吟味することが必要です。